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グラム陽性球菌の治療(基礎)
要約
基本的な病原菌と抗菌薬
連鎖球菌の抗菌薬治療
腸球菌の抗菌薬治療
ブドウ球菌の抗菌薬治療
まとめ(グラム陽性球菌のβラクタム剤を中心とした治療)
グラム陰性桿菌の治療(基礎)
要約
基本的な病原菌と抗菌薬
大腸菌・クレブシエラの抗菌薬治療
その他の腸内細菌の抗菌薬治療
緑膿菌・アシネトバクターの抗菌薬治療
まとめ:腸内細菌・非醗酵菌に対する抗菌薬治療
インフルエンザ菌の抗菌薬治療
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2014年11月
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スルバクタム/アンピシリン
スルバクタム/アンピシリン(Sulbactam/Ampicillin, SBT/ABPC)
臨床におけるキーポイント
グラム陽性球菌と嫌気性菌を広範にカバー。
グラム陰性球菌であるモラキセラ(βラクタマーゼ産生)にも有効
アンピシリン
と比べて一部のグラム陰性桿菌にも感受性が改善しているが、臨床的意義は少ないと思われる。
薬物動態
体内によく分布し、炎症を起こした部位のほとんどに移行する。
腎排泄。
血清半減期は1時間。少なくとも8時間おきの投与を行う。
抗菌スペクトラム
グラム陽性球菌では、
アンピシリン
が有効である
連鎖球菌
・
腸球菌
に加えて
ブドウ球菌
にも有効。
グラム陽性球菌を広範にカバーする。
バクテロイデスを含む嫌気性菌を幅広くカバーする。
グラム陰性球菌である
モラキセラ・カタラリスにも有効
アンピシリン
と同じく、高用量で
インフルエンザ菌
の多くに有効。
市中感染を引き起こす比較的感受性のよい腸内細菌(
大腸菌、クレブシエラ
)もおよそ3分の2が感受性で、
アンピシリン
より改善されている(が、臨床的意義は乏しいかもしれない)。
臨床応用
保険適応病名は「肺炎」「敗血症」
誤嚥性肺炎
、肺膿瘍、・膿胸(グラム陽性球菌、嫌気性菌の混合感染が多い)
腹部の膿瘍ではグラム陰性桿菌の関与が疑われるため、使いづらい。
COPD患者の肺炎
(
肺炎球菌
、
インフルエンザ菌
、モラキセラ)
インフルエンザ後の肺炎
(
肺炎球菌
、
インフルエンザ菌
、
ブドウ球菌
をカバー)
ヒトや動物に咬まれたことによる感染症
皮膚感染症(
連鎖球菌
or
ブドウ球菌
)にも有効。
用法
1日3回(1.5g 8時間おき)投与。
ABPCを加えて、SBT0.5g+ABPC2gで投与したりする。
CCr 10-50ml/minでは1.5g8時間おき、10ml/min以下では1.5g12時間おき
MEMO
グラム陽性球菌と嫌気性菌に広範に有効な薬剤、と覚えるとよい。
βラクタマーゼ産生でアンピシリン耐性となっている菌 (ABPC耐性、SBT/ABPC感受性) →
ブドウ球菌
、腸管内嫌気性菌、モラキセラ・カタラリス、(大腸菌の一部、クレブシエラ)
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