1. 腸球菌感染症とβラクタム薬による治療


腸球菌が関連する感染症の例

○基本的には複雑性感染や日和見感染を起こす菌である。

○複雑性尿路感染や、癌合併や術後の胆道感染などで時々起炎菌となる。


抗菌薬治療の基本原則

アンピシリン(+ゲンタマイシン)が標準治療

◯ゲンタマイシンは併用で相乗効果を狙う。

◯アンピシリン耐性株にはバンコマイシンを用いる。


そのほかのβラクタム系薬は?

○セフェム系薬には自然耐性(もともと100%耐性)である。

◯アンピシリン感受性菌は、ペニシリン系薬とカルバペネム系薬に感受性。



2. βラクタム薬(アンピシリン)耐性腸球菌の治療

 

アンピシリン耐性腸球菌

○作用点の変異が多い(一部、βラクタマーゼ産生)

◯アンピシリンが効かないものには、他のβラクタム系薬も無効。

 

アンピシリン耐性腸球菌の治療

○バンコマイシンが第一選択。