研修医が感染部位と起炎菌を考えて治療するためのワンステップ

先週からの出来事。

 

COPDの患者が喘鳴と呼吸困難で、夜間も一睡もできないと紹介入院。

研修医に持たせてみた。

COPDの急性増悪だから気管支拡張薬で治療。


2日後、呼吸苦は落ち着いてきたが、

体がきつくて膿性痰が増えている、という。

「で?」

「だから、なんか抗生剤でもしようかと思います。」

 

「抗生剤でも、って、何?」と聞くと

「うーん・・・」と答えにつまった後、

「セフトリアキソンか、オーグメンチンの内服でもいいですか・・・?」

 

ご名答、そう、その通り!教科書にもそう書いてあるよ!

勉強してるのは認めるよ!

・・・とノリのよい指導医を演じたいのは山々だが、

ネクラの自分にはそれができない。

 

「グラム染色見てから考えて」

と、暗い声で忙しそうな研修医に意地悪なことを言う。

有無はいわせない。パワハラ状態。

 

小一時間後、

「肺炎球菌がたくさんいて、好中球に貪食されてました。」

「で?」

「ペニシリンGにします。」

これで、パワハラ指導医も文句いえんだろう、と不敵の表情。

 

いいんですよ、それで。

こうやって、感染症診療で、感染部位と起炎菌を常に考えることを覚えていくんでしょう。

 

患者さんはPCG 5日間投与ですっかり元気になって、昨日退院しました。