抗インフルエンザ薬の適応について

 新年、あけましておめでとうございます。

 インフルエンザが流行期に入っています。

 昨日のABCニュースを聞いていたら、アメリカでもインフルエンザの流行が始まったとのこと。

 「65歳以上の人、5歳以下の子供、妊婦、喘息などの肺疾患や心疾患のある方」は発症48時間以内に有効な抗ウイルス薬を投与したほうが良いので、受診したほうが良い、と専門家がコメントしていました。

 そのとおり、だと思います。

 

 一方、日本。

 数年前、診療ガイドラインにも関わっていらっしゃる某先生が講演にこられたので抗インフルエンザ薬の適応について質問してみました。

 「使ったほうが早く熱が下がるのだから、どんな患者に使うとかはなくて、誰でも使うにきまってますよね。」というのがお答え。

 講演の中で、「日本は抗インフルエンザウイルス薬が適正使用されているので、インフルエンザウイルスはなかなか耐性にはなりませんよ。」とおっしゃってました。


 結果・・・、今季は「あんまりきかなくなったんですよねぇ・・・」という説明すら通用するようになってしまいました。


 インフルエンザは健常者であれば数日で自然治癒する感染症。1日早く熱を下げるためだけに抗ウイルス薬をどんどん処方していたこと自体がおかしな話だと思うんです。別にアセトアミノフェン処方するのはいいんですよ。でも抗微生物薬は耐性化や環境への影響がありますから。