中村啓二ら 好酸球増多と高IgE血症を伴った非HIV患者の播種性クリプトコックス症の1例
(感染症誌 90:819-24 ,2016)
要約:免疫不全の背景がない33歳女性が播種性クリプトコックス症を発症。好酸球増多と高IgE血症を伴っていた。基礎疾患を有しない播種性クリプトコックス症患者の中に、アレルギー素因を有し好酸球増多や高IgE血症を認める患者群が存在する可能性が示唆された。
明らかな免疫不全を認めない患者が、播種性クリプトコックス症患者の約1割存在する可能性がある(PLoS ONE 2013;8:e60431)
雑感:真菌なので、局所ではアレルギー性気管支肺アスペルギルス症のようにアレルギー反応が感染(共存)の成立に寄与しうることが知られている。播種性クリプトコッカス症というsystemicな感染症でも、アレルギー素因(→好酸球増加、IgE増加)と感染の成立に何らかの因果関係(例えば、Th1/Th2バランスの変化を介した)がありうるというのは興味深い仮説である。
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