マクロライド系抗菌薬
エリスロマイシン(EM,)
クラリスロマイシン(CAM)
アジスロマイシン(AZM)
■臨床におけるキーポイント
○ 非定型菌(マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア)の第一選択薬
○ 上記以外の一般細菌に対する投与は勧められない。
■薬物動態
○ 経口投与でよく吸収され、良好に組織移行する。髄液には移行しない。
○ EM,CAMの半減期は数時間、AZMの組織内濃度半減期は2-4日間。
○ 主に胆道を介して腸管に排泄される。
■抗菌スペクトラム
○ 非定型菌(マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア)
○ ヘリコバクター・ピロリ
○ 一般細菌に対しては耐性化進行や耐性化しやすいため、一般に投与は勧められないが、アジスロマイシンはインフルエンザ菌やモラキセラ・カタラリスに有効である。
○ クラリスロマイシン・アジスロマイシンは非結核性抗酸菌(Mycobacterium Avium-intracellulare Complex)治療のキードラッグである。
■臨床応用
○ マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎の第一選択薬
○ 重症肺炎でレジオネラが完全に否定できないときには必ずマクロライドかニューキノロンを併用してレジオネラをカバーする。
○ ヘリコバクター・ピロリの除菌にPPI・アモキシシリンと併用で。
○ キャンピロバクターによる食中毒
○ Mycobacterium Avium-intracellulare Complex感染症にリファンピシン・エサンブトールやニューキノロンと併用する。
■用法
(エリスロマイシン)
○経静脈投与は0.5g 6時間おき。腎機能による調整不要。
○内服は200-400mg 6時間おき。腎機能による調整不要。
(クラリスロマイシン)
○200mg12時間おき、非結核性抗酸菌症に対して400mg 12時間おき
○Ccr 10ml/min以下は 24時間おきにする。
(アジスロマイシン)
○500mg 3日間投与。または2g1回投与(SR)。腎機能による調節不要。